アットマークエレ:プリント基板制作に関する技術アイデアまとめ

外形穴形状の寸法仕様

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フレキシブル基板における、外形や穴加工の寸法精度や形状の精度について触れてみます。機械加工の精度は非常に高いのですが、頭に入れておくべき点をお伝えします。

機械加工の寸法精度

 フレキシブル基板の外形や穴の加工は、NCドリル/ルーター、金型によるパンチング、レーザーカットなどによって行われます。これらの機械加工によるプロセスの寸法精度は非常に高いのですが、個々の加工プロセスを見てみるとそれぞれ得手不得手があります。例えば、コーナー部の加工形状や加工精度には時おり制限があり、若干精度が落ちることもあります。また、寸法精度は製造工場毎に変わるので、精度が必要な箇所については、設計・製造前に確認しましょう。

穴加工の精度も高い

 本金型を使えば、外形寸法を正確に出せるだけでなく、内側の穴の形状や位置寸法も正確に出すことができます(図1)。ただし、外形と穴を別々の金型で加工する場合には、両者の間にパターンズレによる誤差が生じるので注意が必要です。

本金型を使うことで複雑な形状でも高い精度で加工可能 図1. 本金型を使うことで複雑な形状でも高い精度で加工可能

幅がゼロのスリット加工も可能

 特殊な金型(刃型)を使えば、幅がゼロのスリット加工も可能です。ただし、スリット部は、基材が裂けやすくなるので、形状設計にひと工夫が必要です(図2)。

刃型による幅ゼロのスリット加工 図2. 刃型による幅ゼロのスリット加工

金型には寿命がある

 金型には寿命があり、長期間使っていると切れが悪くなったり、寸法がずれてきたりします。寿命は金型のタイプによって違いますが、本金型であれば10万ショット、簡易金型であれば1万ショットが一つの目安になります。

 金型の多くは、研磨などの修理保全を行うことにより、当初の寸法精度を回復させることができます。金型のメンテナンスも寸法精度をキープするための重要な要素の一つと言えるでしょう。

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