どのような時にフレキシブル基板を使うか
フレキシブル基板を使うべきかどうかの判断は、フレキシブル基板の特徴が活かせるかで決まります。例を交えながら、主な特徴を紹介します。
フレキシブル基板の特徴
フレキシブル基板を使うべきかどうかの判断は、「フレキシブル基板以外での配線が不可能か、極めて困難」ということがキーポイントになります。言い換えれば、フレキシブル基板の特徴を活かせるかどうかということになります。フレキシブル基板の特徴はたくさんあるので、主な特徴ごとに例を挙げてみましょう。
薄いこと
一般的な片面フレキシブル基板の厚さは100μm(0.1mm)以下です。 最近の携帯機器の薄型化に伴い、厚さが50μmのフレキシブル基板も標準品として作られるようになってきています。さらに突き詰めれば、30μm未満、20μm未満の回路を作ることが可能になっています。
一方で最近の携帯用電子機器の薄型化、軽量化は留まるところがありませんので、もう、フレキシブル基板以外での配線は考えられない状況です。
<具体例>
スマートフォン、タブレットPC、デジタルカメラ、MP3(携帯音楽端末)、携帯ゲーム機
曲げられること、3次元配線
フレキシブル基板は、自由に曲げることができるので、複雑な3次元配線でも、
一枚のフレキシブル基板で処理することができます。ただし、あまり複雑になると回路のコストはかなり高いものになります。
<具体例>
カメラ、ビデオカメラ、ノートブックPC、内視鏡配線、航空宇宙機器
長い屈曲寿命
適切な回路構成と材料を選択すれば、フレキシブル基板は極めて長い屈曲寿命
を持たせることができます。適切な回路形状を設計すれば、10億回の屈曲にも耐えることができます。このため、駆動部がある電子機器やモジュールの配線材料として欠かせないものになっています。
<具体例>
HDD、CDD、プリンター、折りたたみ式携帯電話、カメラのズーム機構
高密度配線
最新のフォトリソグラフィとエッチング技術、電子鋳造の技術を組み合わせれ
ば、ピッチが30μm未満の回路を形成することも可能になっています。このような微細回路形成技術を活用して、高精細ディスプレイパネルの配線はほとんどフレキシブル基板で行われるようになっています。
<具体例>
液晶ディスプレイパネル、eペーパーディスプレイ、インクジェットプリンターヘッド、ファクシミリヘッド、超音波診断機プローブ
多様な実装技術が使える
フレキシブル基板には、硬質基板の汎用実装技術が使えますが、一工夫するこ
とにより、硬質基板やケーブルでは難しい高機能実装が可能になります。
<具体例>
表面実装、スルーホール実装、はんだ付け、各種コネクタ、圧接、溶接、ワイヤボンディング、導電性接着剤、異方導電性材料による接合
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