アットマークエレ:プリント基板制作に関する技術アイデアまとめ
硬質(リジッド)基板に比べて、フレキシブル基板の設計は、形状や構造に配慮しなければならない点が少なくありません。特に接続部、部品実装部、ケーブル部は、構造が大幅に違ってくる可能性があります。したがって、設計の手順も以下に示すように微妙に違っています。
基板には配線層以外にも多数の層があり、基板設計CADではこれら全てを扱います。CADの持つ「レイヤー」情報は物理的な層とは1対1対応しません。基板設計では複数の層にまたがるデータが必要になるからです。
基板の層の数を減らすためにはX-Y配線が必要です。X-Y配線を実現するためにはビアが欠かせません。X-Y配線とそれに用いるビアについて説明します。
基板設計の核は「配置設計」と「配線設計」です。CADを利用するとこれらの設計を有機的に結び付けることができ、複数の技術者がたやすく同時に同一の基板に取り組むことが可能になります。
論理設計、回路設計と、実際の基板製造を結び付ける工程を支援することが「CAD」の役割です。基板上でパッケージを配置し、あらかじめ決められたルールに従って配線を正しく接続する機能が基本です。CADを導入することで、設計の作業性が高まり、設計データの再利用が楽になります。製造用のデータの精度が高まることも利点です。
1 積層基板(その1)――よりいっそう、“層”の役割を理解する
2 ビア(その1)――単なる穴だと、あなどるな! (2/2)
3 積層基板(その2)――レジン、ガラスクロスなど素材の微妙な違いで変わる特性
4 配線の幅(その1)――配線パターンを作る2つの手法
5 基本構造(カバーレイ)
6 回路図入力とネットリスト
7 配線の幅(その2)――配線の種類によって3種類の設計を使い分ける